”あたりまえ”の基準はいろいろ人によって違うし、正しいとかそういう基準ではない。
ただ、営業マンには求めたいあたりまえがある。
それは、自分を安売りしないこと。
お客様が、前の担当者がやってくれたから、とかお宅から買ったんだからタダで設置しろ、とか言われることがある。これらはお客様にとっての「あたりまえ」だ。
でも、営業マンは売るプロであって、設置や設定はプロではない。
これを以前、20年くらい前は営業がやってしまっていたことがある。
PCが普及した頃ですね。
そうすると、渋々やる営業マンがいたり、「私がやればタダですから」(そんなはずはない)とよくわからないことを言って受けてしまっていた。
この歴史を今でも引きずっている。
過去にあたりまえ化したことを変えるのはパワーがかかる。
それで失ったお客様もいる。いるんですよね、どうしてもご理解いただけず、後任の営業マンが泣いていた。
それでもあたりまえを変えなくてはいけない。
例えばパソコンがわかりやすいが、お客様は毎日仕事で使っている。
当然データが何年分も入っている。
さて、このパソコンの設定を個人の技量だけで設定からデータ移行まで引き受けていいだろうか?
答えは、簡単。
ノーですね。
データが分散されて保管されていたり、セキュリティの設定が導入当初と変わっていたら、もうわからない。(わかっても手を付けてはいけない)
データ移行で今までと全く同じ状態に設定すれば100点だが、同じにはできないですよね。Windows7と10ではそもそも初期画面から違います。
そうすると、あったはずのものがない。以前はこれで開けたのに開けない。
お宅が設定したのがおかしい。と、なるわけです。
「そんなおおげさな・・・。」と言われそうですが、実際あるんです。
さらに営業マンがやった場合は、始める際に「ここからここまでを作業します」完了したら「ご一緒に確認いただけますか」とはやらない。
するとどうなるか。
毎日のように便利に呼ばれる。「あのデータあったはずなんだが、どこに移した?」
それはそうですよね、設定の時にお金を頂いていないし、範囲を決めていないので、お客様にしてみれば”呼びやすいこと身内の如し”。
長くなりましたが、お客様のあたりまえは自分たちのあたりまえとは違うのです。だから、その基準を合わせていただけるように説明し、設定はサービスマンに任せることが最善の方法なのですね。
営業マンが何でもやらなきゃいけない場合ですか?
そういう場合は、技術を身につけることに加え、レポートをしっかり作ることですよね。作業内容を事前、事後にお互いで確認する。
そうすれば「しっかりした仕事をしてくれる」と必ず信用に繋がります。
お客様のスキルがどんどん上がる時代。
設定を営業マンが売り物にする時代ではなくなっています。
仕事として行っていた、パソコンや販売管理を指導していたインストラクターは、最小限の人数にまで減りました。スキルが上がったから、お客様がマニュアル見ながらでもできるんですよね。
お客様のあたりまえ基準を共有し、ご理解いただくことも仕事のひとつだと思います。
さあ、明日もきっといい1日になる!