「自転車で遠くまで行ってみたいんです!」
20代からこんなことを言われるのが新鮮でした。
ただ、「どうせすぐ飽きちゃうんだろうな」と思いながら話を聞いていると、まんざらそんな半端な感じでもない。
何が動機かはわからないけれど、自転車、それもロードバイクがほしいというのはいいですね。
ところが”ロードバイクが欲しい”といっても、今は完全にモノ不足で今注文してもいつ入ってくるかわからない。
まして、自分好みの色、サイズを選ぼうものなら2年待ちでも入ってくるかどうか。
これが高くても安くても同じだから何ともやりきれないです。
せっかく情熱をもって「乗りたい」と思っても
”ない”
ただ、いつもお世話になっているショップの店主は、とても納得できる話をされていました。
「まず自分で今ある自転車に乗って、あの山のどこまで上れるか、前と後ろにあるギヤを無意識で変速できるようになってごらん。乗れる自転車があるわけだから、それで楽しんでみなよ。新しくほしいのはわかるけど、まずは乗れるようになること。」
おお~、さすがです。
「そこに乗れるものがあって、乗りたいという気持ちがあることが大事。あとは自分でいろいろ楽しんでみて次に行くかどうか決めればいい」と。
確かにそうですよね。
憧れで買っても続かなければ、ただただもったいないだけ。
自分たちは毎週100㎞とか走って、
「ひゃー、楽しい。」「いやあ、きついねえ」
と笑いながら話しているけど、乗れる物があって気持ちがあるから楽しめる。
そういう中にまた仲間が増えてくれるといいなあ。
ものすごく速い人たちもいるけど、じぶんとは求めるものが違う。
速い人たちはそれで楽しいはずだからいいんです。
でも自分にとっては、トライアスロン精神がまさにドンピシャで、「ゴールしたものすべてが勝者」だと思うんです。
3つやるのは、なかなかきついですから。
でも、ゴールできればそれだけで価値がある。
いいですよねえ。
若者のエネルギー、思いを感じて27年前、自転車に乗り始めたころのことを思い出しました。
ある大会に出たとき、ゴール手前の右コーナーを曲がったら斜度がきつくて
「パタリ」
と倒れました。
脚に力が残っていなかったんですよね。
今でも貧脚ですが、この時のことは自分への戒めになっています。
つまり、最初からゴールへ簡単に行ける人はいない。
一生懸命何回も坂を上って、走り方を教えてもらって、ようやくそれなりに乗れるようになる。
”それなりに”、長い距離も走れるようになれば、速い遅いではない楽しみ方ができるようになりますね。
さあ、今日もきっといい1日になる!