今、朝ドラであんぱんをやっていますが、アンパンマンの作者、やなせたかしさんとその奥さんの物語ですね。
見ていて何とももどかしかったりしています。
はっきり言えばいいのにモタモタしているたかしに「コラッ」と言っています。
今は太平洋戦争のことが描かれています。
そのやりとりの描写を見ていて、自分が入社したころを思い出しました。
会社と軍隊では点土地くらいの厳しさがあると思うのですが、まあそれでもこんなことがありました。
新人で研修から帰ってきて現場を歩き始めた7月。
上司から「売れるまで帰ってくるな」って言われました。
「ウレルマデカエッテクルナ?」
研修から帰ってきただけで知識もないのに
「ナニイッテンダ?」
まあ、そんなこと言っても冗談だろうと17時20分ごろ事務所に帰ったんです。
そしたら、
「何が決まった?」 と言われたので
「何も決まってません」と言うと
「バカヤロー、決まるまで帰ってくんなって言ったろ!もう一回行ってこい!」
ここは軍隊か?
仕方がないので、もう一度出かけましたが、時間が時間ですから明かりはついていても残業しているお客様しかありません。
訪問したところで、
「何時だと思ってんだ、帰れ!」
「忙しいんだ!」
と言われ、それでも粘っていたらお茶をかけられました。
懐かしい思い出です。
結局、何も決まらないまま21時に帰ったら、上司はいませんでした。
聞けば、19時ごろに帰ったとか。
まあ、その時点で信用できない人だと思いましたね。
自分にとってこの話のつらかったところは、「売れるまで帰ってくるな!」ではないんです。
どうやって売ったらいいかわからないのとそもそも売れるものが何かわかっていなかったこと、なんです。
めちゃくちゃな時代ですからね。
何でもいいから売ってこい、と言われても何がいくらなのかすらわからない。
挙句に重要なお客様のところへ行ってしまい、そこの執行役員と面談で来たまでは良かったんですが
「御社は何をしている企業ですか?」
と聞いてしまい、超怒られました。
さらに出入りしている先輩は、「どんな教育しているんだ!」と言われたそうで1時間説教されたと言ってました。
まあ、翌日自分もその先輩から会社でどえらく怒られたんですが。
今の時代と違い、ネットなんてありません。
ググればいいじゃん、って思いますよね。
パソコンだってないし、調べるすべは何もありません。
今がどれだけ進化して楽になったことか。
何か売ってくるにしても、何もわからない・・・。
そんな時代でした。
いま思えばよくもまあ、あの時代に手書きの提案書でお客様は買ってくれたものです。
提案書、手書きですからね。
それで500万とか決まるんです。
あ、むかしオフコンというものがありまして、プログラムはすべて手組でした。
フルオーダーメイド。
つまり・・・提案の段階では何も見せられるものはないんです。
あるのは、手書きの提案書と自分のトークだけ。
なんと恐ろしい(笑)
幸いにもプログラマーの腕が良かったのでクレームになったことは一度もありませんでした。
そんな時代ですからね、先ほどの話に戻りますが「売れるまで帰ってくるな」と言われても売れるはずはないんです(笑)
よくまあ、今でも同じ会社に勤めているものです。
今はそんな乱暴なことは言いません。
「お客様と会話して、疑問に思ったら聞いてみること。お客様はプロだから一番の正解を持っている。」
すぐに売ろうというのは筋の悪いやり方ですね。
さあ、今日もいい1日にしよう!