どういうわけかマイナス思考の方にぶつかることが多いんです。
プラスに考えれば、もっと気持ちよくいられると思うのですが不思議です。
そういう方がよく口にするのは、
どうして?
なんで?
こう変わらない理由がわからない。
やる気にならない。
しくみがないからできない。
応援に来てもらえないから売れない。
これを毎日聞いていると、よくもまあその思考でつらくならないなあと感心します。
出来ないなら、できるようにするためにどうすればいいか考えたらいいんですけどね。
どうにもならないことをいつまでも考えていても変わらないんです。
会社というのは規模にもよりますし、法律が絡むかどうかにも影響されますし、いろいろな面で簡単には変わらないことがたくさんあります。
法律が関わるものは時間がかかりますし、これを全国にいる営業マンに理解させるためにはまた時間がかかります。
自分の場合、それを待っているくらいなら今あるもので戦おうと考えます。
そもそもないものねだりをしているうちに戦いは終わりますからね。
先日聞いた方の話はとても刺激的なものでした。
県内市場の90%が1社のディーラーから納められていました。
ある業界のソフトウェアなのですが、その1社はサポートまでやっていたので、電話一本ですべて解決できる体制が整っていました。
さて、この市場に切り込みたいのですが、どこへ行っても
「うちは○○さんから入れているからいいよ」
とほとんど相手にされなかったそうです。
90%ですからそうなりますね。
そこで考えたそうです。
「このソフトを売りに行ってはダメだ・・・」
そこで考えたのは、お客様の困りごとを聞いて回ること。
ただ、困りごとというのはその企業の弱みですから、当然ストレートに聞いても言ってもらえるはずがない。
「その会社の効率が上がる話をしてみよう」
扱い商品は多いので、あの手この手で話していったら、少しずつ糸口が見えてきたそうです。
従業員の方が楽になるもの、そうすることで時間が生まれて、他の仕事もできるようになる。
すると、もともと売りたかったソフトウェアの話が出てきたそうです。
「実はこういうところが使いにくくて、要望はずっと出しているけれど解決できてこないから困っている」と。
こちらのソフトウェアはそれができる。
他の機能もお客様のニーズは満たせる。
「一度見るだけ見てくれませんか?」
見ていただいたところから急展開したそうです。
その方が常に意識していたのは、その会社の従業員の方が効率よく、楽に仕事をしてもらえること。
ですから、従業員ウケはいいわけです。
いろいろな方々が後押ししてくれたおかげで一本また一本と入っていって、数年後には県内シェアの30%以上をそのソフトで占めるまでになったそうです。
遠回りにみえるようなアプローチですが、営業はものを売る仕事ではなく、お客様を楽にする、効率よく仕事をしてもらう、結果として売り上げが上がるようにするのが仕事だと考えたらどうでしょうか。
単に物売りに行けば、他社と金額だけで比較され、生産性が上がってお客様にとってメリットのある機械が安くなってしまうんです。
そういう形で入った機器は結局、こちらの意図するつかわれ方をしないので効率も上がらないですし、お客様の満足度も上がらないんです。
これでは、双方にとって不幸ですよね。
お客様のことを聞いて提案した場合、”思い”が乗りますから、その機械はフルに使っていただけるわけです。
これは幸せですよね。
こういう営業から物は買いたい、そう思います。
話は戻りますが、マイナスなことばかり言う人は”ものだけ見ている”と言っていいでしょう。
その企業のめざすところは何か、何かできることはないか、いま提供できるものは何か、こういうことを考え抜いて提案してみてダメなら次に行くしかありません。
ただ、
お客様のために考え、提案したことは必ず伝わります。
そのときには検討されなかったとしても、時がたって呼ばれることもあるんです。
マイナスなことを言っていたら、その力は強いのでお客様の本音を聴きだすことはできないんです。
お客様を信じて提案したら検討すらされなかった、という話を聞きます。
お客様はどんな気持ちで、こちらの提案を聞いていたのでしょうか。
マイナスな気持ちでいたら、残念ながらお客様には確実に伝わります。
プラスに考えていても、やっとゼロベースで会話できているくらいのレベルだと思っています。
自分の気持ちは意識してプラスに保つ。
可能な限りマイナスなことは言わない。
マイナスの力は強いんです。
常にポジティブに、お客様のコトを考えていると見えてくることがある。
さあ、今日もいい1日にしよう!