先日こんな話がありました。
「新人で経験がないということは、お客様視点に近いということ。」
営業として外回りをしていると、だんだん”営業”自体には慣れてきます。
会社の目指す方向性や戦略を理解していくと売るものや考え方が染みついてきます。
すると、どうなるでしょう。
お客様の言うことが頭の中で商品に変換されていきます。
「これを入れるとこんなことができるようになり、こういうメリットがあります」と。
でも、もう少しいろいろお話を聞いてから本当に悩んでいることは何か、という視点で会話しないといけない、もっと関心を持たなければいけない、というのが本当です。見えている困りごとは、本当に困っていることではなかったりしますからね。
新人と同行すると、自分の受け答えを見て何でも感心しているんです。
「そうなんですね、そういう時はどうされるんですか?」
「こういう場合はどうされていますか?なるほど、そうされているんですね。」
売り込むなんてことはしません。
お客様からより多くのことを聴いて、お客様のことを知る。
そうすれば、次にこんなことで困るかもしれない、ということが見えてくることもある。
商品のことだけ考えていると「それはいらないよね。」というものの話を始めたりします。
国産の普通車が欲しいのに、ベンツやトラックの話をされても困ります。
こちらの目的をあらかじめ明確に伝えておけば、お客様は今やっていることや考えていることをお話ししていただけます。
とはいえ、自分たちのように長く営業をやってきたものは”きっとこうだろう”という先入観がよぎるので、新人のしている質問に対してお客様の答えが、自分がイメージした答えと違うものが出てきたときに”ハッ・・・”とするんです。
これは、本当に大切な気づきだと思います。
”新人で経験がないということはお客様の視点に近い”ので、商品の話ではなくて何でも疑問に思ったことを一生懸命話す。
ピンボケになっても、それはお客様が教えてくれます。
”お客様の視点に近くない”と本当の意味で解決策は出てきません。
先の先入観で「きっとこういうことで困っているんですね」で、商品を充てるからです。
会話の大切さはずっと昔から感じていますが、ここ最近は営業に余裕がない。
雑談してみるとわかります。
雑談力という本がありましたが、幅広くいろいろな話ができるのが営業のはずなのに、できない営業が増えました。
これを何とかしないと、今やろうとしていることが崩れます。
さあ、明日もきっといい1日になる!